2013年11月21日

CCL作品は永久設置になりました!~D.M.Z ART PROJECT-〈The Line〉~

いくつかの韓国メディアのネットニュースによってDMZでの展覧会の記事が掲載されているようです。
全部ハングル文字なのですが、翻訳ソフトなどでざっくりとは理解できるみたいです。

http://www.ajunews.com/view/20131031142407596

http://news.naver.com/main/read.nhn?mode=LSD&mid=sec&oid=001&aid=0006585856&sid1=001

http://www.fnnews.com/view?ra=Sent1201m_View&corp=fnnews&arcid=201311120100120960006129&cDateYear=2013&cDateMonth=11&cDateDay=12

D.M.Z ART PROJECTthe Line_Art, Open the Way for Reunification 
webカタログ http://www.ithegonggam.com/post/104233706863/the-lineart-open-the-way-for-reunification-the






D.M.Z ART PROJECT-The Line/ART, Open the way for reunification平和ヌリ公園での彫刻作品の展示は、11月15日をもって無事終了、作品は公園内から搬出されました。私は今回の搬出には立ち会わず韓国へは行っていないのですが、もうパジュ市はすっかり冬の気候でしょうね・・。


そしてCCL民間人統制線(一般人における境界エリア)の金網に展示したインスタレーション作品は、上記に引用したニュース記事にもあるように、永久設置となります。 そして毎年継続して展覧会が行われていくとも書かれています。
最初の記念すべきスタートに私の作品も関わったことになり、それは大変光栄なことです!

今年は事前申請者のみの作品観覧でしたがいずれこのエリアが少しずつ開放的になって一般の観光客の方も観にこられるようになれば、アーティストの作品メッセージがもっとダイレクトに伝わります。
あの金網のもつ独特の物質感、特別な意味。 広がる田園風景ののどかさと金網の緊迫感のミスマッチ。
「そこに居なければわからない空気感」も含めてこれらのインスタレーションは成立するのです。




















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D.M.Z ART PROJECTthe Line_Art, Open the Way for Reunification 
webカタログ http://www.ithegonggam.com/post/104233706863/the-lineart-open-the-way-for-reunification-the


日時:20131025日(金)~1115日(金) 

時間:10001800
会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  


こちらの見学は事前登録のみです。作品は写真と映像のアーカイブになります。 )     
    場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map

    2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園 (どなたでも見学可能です。予約不要です。)
   

出品作家:
Kim Sangkyung、Ryu Shinjung、Yu Yeongho、Lee Gilrae、Lee Jaeho、Park Sungki、Kim Jihyun、Lim Dowon、Koh Seungkwan、
Eo Soonyung、Pierre-Marie Lejeune、栗原亜也子、Feng Zhang
 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour
Dongjae Lee
The Gong Gham plus website http://www.ithegonggam.com/



the Line_Art, Open the Way for Reunification 
the very first DMZ(Demilitarised Zone) Art Project in Imjingak in South Korea. Date: 2013.10.25 - 11.15 Curator: Gong Gham Plus(LEE Dong Jae) Artists: Pierre Marie Lejeune(FR), Ayako Kurihara(JP), Zhang Feng(CH), RYU Shin Jung(KR), KIM Sang Gyun(KR), KIM Ji Hyun(KR), KOH Seung Kwan(KR), YOO Young Ho(KR), LEE Gil Rae(KR), BAHK Seon Ghi(KR), LIM Do One(KR)

2013年11月14日

DMZセッティング・レポート  ~Pyeonghoa_Nuri Park編~

 



宇宙人がUFOから落としていった忘れ物ではありません。私の作品です。



DMZエリアの平和ヌリ公園(Pyeonghoa_Nuri Park)に設置したインスタレーション作品「Vanishing Point」。
広い公園広場の中で所在なさげに(なんとなく恥ずかしそうに)置かれているのがなんとも微笑ましいですね。



手前左の彫刻がPierre Marie Lejeune氏の作品。手前右は이 길 래氏の作品です。

 
さてこの作品、眺める角度や太陽光の当たり方で色が変化します。
グレースモークのアクリル板に透明性の強いアクリルカラーでペイントしているので、光によって盤面が反射し、絵の具の色は透過します。
屋外に設置するにはかなり繊細なタイプの作品ですが、3週間という限られた会期のなかで展示できるようにと構想し、制作しました。
 
 
 




 


 
大きさは2メートル×2メートル、高さ30センチ。黒い台座だけは主催者側に用意してもらい、上に乗せるペインティングを日本で制作して自分で運びました。しかし梱包した66㎝×66㎝のアクリル板9枚を手荷物扱いで飛行機に乗せるのは結構大変!エア・パッキンをなるべくスリムに挟み込み、許容範囲ギリギリで積載することには成功、破損していないかは到着して荷物をほどいてからのお楽しみ・・というスリリングな状況での搬入でした。
他の作家さんは韓国国内のスタジオやギャラリーからの輸送だったので、10月24日に大型クレーンつきトラックで作品が次々と運び込まれる様子にはすっかり圧倒されました。彫刻家ってすごいな~。
 
 
 



アーティストもスタッフもみんな協力しあって作品設置。
そこに作品があれば言葉は要りません。(否、必要です)







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D.M.Z ART PROJECT
The Line/ART, Open the way for reunification

日時:20131025日(金)~1115日(金) 


時間:10001800
会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  
こちらの見学は事前登録のみです。作品は写真と映像のアーカイブになります。 )     
 
    場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map

    2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園 (どなたでも見学可能です。予約不要です。)
   

出品作家:
Kim Sangkyung、Ryu Shinjung、Yu Yeongho、Lee Gilrae、Lee Jaeho、Park Sungki、Kim Jihyun、Lim Dowon、Koh Seungkwan、
Eo Soonyung、Pierre-Marie Lejeune、栗原亜也子、Feng Zhang
 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour
Dongjae Lee











2013年11月2日

”My eyes watch me through your scenery"

風がふくとカラカラと音をたてます、この作品。

揺れる小さなレンズは光に反射してキラキラと絶え間なく輝きつづけます。



 
 
 


本当は近くに行って見てほしい、レンズごしの景色を眺めてほしい、音を感じてほしい・・・と思う私の作品です。

しかし残念ながら今回のCCLでの展示は一部事前予約者のみの鑑賞となり、一般の方向けには図録やウェブサイトなどでの発表となっております。立地的な関係で遠くから眺めることもできません。

 
ここでの展示に関するいろんなことは、場所が軍の管轄ゆえ韓国の国防軍(軍部)の話し合いと判断によって決定されるそうです。
開催期日、作品設置条件、記録の方法、スタッフの行動管理、etc.

プロジェクトのタイトルはThe Line/ ART, Open the way for reunificationですが、実際にはまだ「開かれて」はおらず、これをスタート地点にしてこの地帯をどんどんオープンにしていこう、という最初の試みの展覧会のようです。
南北を分ける38度線に近いライン。会場は大韓民国(South Korea)の国内になります。
D.M.Z ART PROJECT」といってもこのプロジェクトは北朝鮮-朝鮮民主主義人民共和国(Nouth Korea)に向かってなんらかのメッセージを発するのが目的なのではなく、むしろ韓国国民、あるいは軍部に対して?南北再統一への意識を再確認するためのアクションである、そういった印象を持ちました。

 
つまり、展覧会としての作品そのものを見せる要素は重要視されておらず、外でありながらまるで「密室」のような場所であり、行われた「結果」が大事なのです。韓国内外の作家達によって境界線上の金網にインスタレーションが施されたという事実が。

このことを各出品作家がどうとらえているかはわかりませんが、とにかく作品設置作業は3日間のうちに無事に終了しました。
日本人でこの場所に3日間も通った人は、きっと数えるほどしかいないんじゃないかな(笑)



設置が完成し、よろこびのジャンプ。




↓1025日より開催予定の展覧会はコチラ

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D.M.Z ART PROJECT
The Line/ART, Open the way for reunification

日時:20131025日(金)~1115日(金)

時間:10001800

会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  

こちらの見学は事前登録のみとなりました。作品は写真と映像のアーカイブになります。 )     

    場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map

   

    

   2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園 (どなたでも見学可能です。予約不要です。)

   

 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour
Dongjae Lee

 

 

2013年10月29日

DMZセッティング・レポートPart 2 ~写真編~

DMZエリアで展示する作品のセッティング風景です。
CCL(一般人における境界線)の金網に、細いワイヤーを通したレンズをひとつひとつ吊るしていきます。
レンズには2種類あり、ひとつは向こう側が大きく見える凸レンズ、もうひとつはアクリル製のハーフミラー(マジックミラー)です。
見え方に特性のあるレンズを金網の隙間がつくるグリッドにはめ込んでいくことで、隔てられた世界の位相を変えていきます。
”My eyes watch me through your scenery"
「私の眼はあなたの風景を通して私をみている」というタイトルの作品です。


凸レンズ。近くで目をこらせば拡大された風景が見える。
少し離してみるとさかさまに風景が映る。
 
 
展示エリアでは軍隊が私たちのことを常に監視しています。
この金網をのぼって向こう側に逃亡を企てる者がたまにおり、
数週間前に発砲事件の悲劇が起きました。
 
 
秋空のもと、ひたすらワイヤーネットにレンズをくくりつける作業。風が強いのでつりさげられたアクリルレンズがカラカラと音をたてて揺れています。私の作品は期せずしてインスタレーション&サウンドアートになったようです。
 
作業はお昼前の11時くらいから日没前17時くらいまで。
通訳のMoonさんに作業を手伝ってもらいながらもこの日はあっというまに時間が過ぎていきました。
 
 

 
 
 
 
 
 
明日も引き続き作業です。全部出来上がったときどんな見え方がするだろう・・。予想外の出来事がふりかかることは作品のセッティングにはつきもの。
何度も自分の作品を遠目に確認しながらこの日は現場をあとにしました。
 
 
 
 


 
 
 


2013年10月25日

緊迫のセッティング・レポート? ~I have a [No image] on the DMZ area. ~

22日の朝、宿までお迎えの車が来ました。これからパジュ市のDMZエリアで作品の設置です。






















ソウル市内から約1時間、道路がすいていたので予想よりはやく臨津閣(イムジンガク)にたどり着きました。
「イムジンガク」は展望台やお土産やさんがある観光施設で、京義線の「臨津江(イムジンガン)」駅からは歩いて10分ほどの距離にあります。(もっとも韓国のひとは車やバスで行くことが多く、電車での行き方をほとんど知りませんでした)

この建物を中心として、南北統一の願いをこめた碑や、戦争時代の汽車の展示、記念館などが存在します。
外国人観光客がバスで訪れることが多いようです。
「Vanishing Point(バニシング・ポイント)」という作品を設置しようとしているのは隣にある平和ヌリ公園(ピョンハヌリパーク)になります。)



この建物がイムジンガク。
展望台、カフェ、レストランやショップがあります。

さて、今回の展示の重要なポイントとなる「軍事国境線に近づいたエリアでの作品展示」ですが,具体的な場所に関してはプチミステリーツアー状態。

「38度線」というのは北朝鮮と韓国とのボーダーラインなのですが、現在は国境ではなくあくまで”休戦”協定状態のうえでの軍事境界線であり、暫定的です。ボーダーライン上の南北2キロの地帯を非武装地帯(DMZ)と呼び、無人の緩衝地帯となっています。

私はこの展示に参加するまでは38度線にかんしてはほとんど無知のありさま。
むか~し社会の授業でならった「板門店」という単語を知ってるという程度で、今さらながら詳細を知る顛末です。まあ、それが人生の出会いというものですね・・



イムジンガクの駐車場で展覧会の主催チームや通訳のMoonさん、撮影を担当するカメラマンの方々と合流し、車に乗り込みます。
前回のゴヤン市美術展で知り合った方がほとんどなので、「アヤコさんひさしぶりです~」とか、「韓国語上達した?」などと和気あいあいな雰囲気。韓国の人達のフレンドリーな人柄とホスピタビリティーにはホントに感謝しています。カムサハムニダ!
撮影担当のソンタックさんが「まずは板門店に向かいま~す。一番北朝鮮に近いところで~す」と遠足口調で明るく宣言するので、え?え?と内心びっくり。確か板門店に行くには外国人は団体旅行で、韓国の人も事前申請しなければならないのですが・・・心の準備が足りないっ!

道路の看板に「←板門店」と出たあたりで車が止まりました。部隊による身分証明書確認です。
全員身分証明書を提出。モチロン私はパスポートです。
左側には板門店に向かう鉄橋道路、右側はでっかい鉄条網の扉、迷彩服とヘルメットをがっちり着込んだ軍隊の人達がたくさんおり、私の緊張感は高まります。
進んだのは右側。鉄条網の扉を開けてもらい、臨津江の川沿い張り巡らされた金網フェンス沿いを車で走ります。どうやらここで作品の設置をするんですね。ようやくつかめてきました。

謎の多い今回の展覧会企画、そうしてこんな状態なのかというと、やはり軍部が絡んでいるからなのです。
企画自体はディレクターのDongJae Lee氏ですが、京義観光公社と軍との統一部(韓国独立有効者協会)が主催&窓口となっています。展示プランはすべて軍部の会議で承諾を得なければならない状態で、さまざまな事柄の決定が開催ギリギリになっているようです。展覧会のサブタイトルが〈ART, Open the way for reunification〉(アートよ開け、再統一への道)ですが、まだまだオープンではなさそうですね。そのための第一歩なのです。



というわけでこの場所ではいろいろ規則があり、私自身による作品撮影はNG.
せっかく一眼レフカメラもっていったのに・・
iPhoneで気軽に撮ってFacebookにすぐアップというわけにもいきません。
NO Image」です。

今日のセッティング・レポートはここまでにしておきます。
担当カメラマンさんが撮ったデータを今度掲載しますね。

明日も設置は続きます・・・

 






2013年10月23日

作品セッティングの旅 The Landscape of Korea

 
 
作品セッティングのために韓国に来ています。
 
 
 
こんにちは。栗原亜也子です。
秋の韓国に来るのは初めて。小雨降る羽田から出発したけれど飛行機の上はきれいな空。
今回の展示ではVanishing Pointという水平線における消失点の存在をテーマにした作品をつくっているので、ついつい気になってしまう景色のなかの平行線。これは「空平線」?
 
 
 
 
最初の二日間はソウル市内で宿泊です。「木洞」という金浦空港から近いエリアに初めて来ました。
ソウルはいいお天気で、宿の裏の市場をうろうろしたりオリンピック公園内の美術館[SOMA]を観たりと紅葉が始まったばかりの風景をながめながらまずはリラックス。
 



オリンピック記念公園にある池。いい天気!!

 
 
22日からは場所をパジュ市に移し、平和ヌリ公園とDMZ軍事境界線の近くで開催される美術展の設置を行います。
散歩の合間には材料調達の買い物や、作品で使うアクリル板の下準備の内職などしています。
 

凸レンズとマジックミラーの円板にワイヤーを通すこと600個!
 

秋、いちばん大好きでコンディションがいい季節です。
どうかスムーズな作品設置ができますように。。
 
 
節約節約の旅ですが、ついついうまそうな食べ物屋さんに入ってしまう。。
 
アサリのカルグッグス(韓国式の手打ちうどん)。
アサリだしが昨晩飲み過ぎたカラダに染み渡る~。
 
 
 
↓10月25日より開催予定の展覧会はコチラ↓
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D.M.Z ART PROJECT
〈ART, Open the way for reunification〉


日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)


時間:10:00~18:00


会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  
(※こちらの見学は事前登録のみとなりました。作品は写真と映像のアーカイブになります。     
    場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map
   
    
   2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園 (どなたでも見学可能です。予約不要です。)

   
 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour:Dongjae Lee




2013年10月20日

「わたしの瞳は、あなたの風景を通して私をみている。」

 
 
韓国・パジュ市のDMZエリアで開催される展覧会「D.M.Z ART PROJECT」。来週より設置のために現地へ向かいます。
 
このプロジェクトで出品するもうひとつの作品を紹介します。
 
 
"My Eyes watch me through your scenery" (わたしの瞳は、あなたの風景を通して私をみている。)
 
 
民間人統制線CCL(一般人における境界エリア)の金網の向こうを眺めた時、視線の先にある北朝鮮の存在や戦争の歴史について考えざるをえません。
実際に見えるのは大きな川や山、緑のきれいな森でなど自然風景であり、ものものしい印象は金網以外はないようにも思えるのですが、CCLの数キロ先、軍事境界線の非武装中立地帯にはいくつもの地雷が埋められているそうです。
 
 
 
「向こう側」と「こちら側」、景色も空気も人間の顔だちもほとんど変わりないものが、ひかれた一本のラインで、あるいは張り巡らされた金網によって隔てられた時に、相手の存在や価値観が屈折して映るようになってしまうのかもしれません。
 
"My Eyes watch me through your scenery"というタイトルをつけたこの作品は、大量の凸レンズと円形のハーフミラーをCCLの金網につるします。
ハーフミラー(マジックミラー)は、明るい側からは鏡に見えるが暗い側からは向こうが見えるという性質をもちます。
映ること、見ること、反射、透過をキーワードに、肉眼で見る景色とレンズを通して凝視する風景を並列させる作品です。
 
 


この作品は会場での現地制作になるので、横浜の自宅で仕込中。穴をあけた凸レンズとマジックミラーにワイヤーを通しておきます。
まるで内職のような淡々とした作業。でもあまり苦にならない。同じく淡々と行うオセロペインティングで鍛えられているのかな・・・

明日からパジュ市入りし、準備に入ります~。

臨津閣の展望台から北を望むことができます。


↓10月25日より開催予定の展覧会はコチラ↓
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D.M.Z ART PROJECT
〈ART, Open the way for reunification〉


日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)


時間:10:00~18:00


会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  (※見学の際は事前予約が必要になります。ご連絡ください。 )      場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map
   
 
    
   2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園

   
 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour:Dongjae Lee









 
 
 


2013年10月19日

Vanishing Point ~画材編~

 
白熱して盛り上がっております、絵の具が。
 
 
今回のブログでは立体作品として屋外で展示予定の作品、「Vanishing Point(バニシング・ポイント)」で使用している画材について紹介してみます。
 
 
マインド・ゲームスシリーズではアクリル絵具を使うことが多いのですが、今回は絵の具の色材ではなくアクリル・メディウムを主体にしています。
リキテックスの「ジェルメディウム」。
 
アクリル素材のつや出し 盛り上げメディウムで、クリーム状になっています。
絵の具に混ぜると透明度とボリュームがでるので、盛り上げるタッチで絵を描きたいときなどに利用されます。
 
私は今回の作品で「2色が混ざり合うにつれ、透明になっていく」表現をしたいと思っていたので、乾燥すると透明になり耐水性で堅牢な性質をもつジェルメディウムを使うことに決めました。
 
うっすらと色付けする2色は、空を表す「青」と、設置場所である平和ヌリ公園の芝生の色「グリーン」。
これらはアクリルカラーではなく「濃縮水性顔料」(@横浜の絵具屋三吉で購入)の蛍光青と蛍光緑。
顔料(色材のもととなる素材)の純粋な水溶液なので、そのままで使用すると簡単に色落ちしてしまいます。
アクリルメディウムと混ぜることで透明色の顔料絵の具を作ることができるのです。
 
 
 それをジェルメディウムの大きな容器に入れて、ひたすらかきまぜます。
あっというまにきれいなブルーとグリーンに染まります。
すごく彩度が高いようにも見えますが、これはジェルメディウムが乾燥していない時は乳白色をしているせいで、乾いたときには”ほんのり色づいている程度”の見た目になります。
このさじ加減が難しい。。勘です、カン。




そして光の存在感を出すために、今回はラメやブロンズパウダーを使うことにしました。
光を受けてきらっとひかるようなスパイス的存在です。
金と銀のラメは手芸やさんや100均でゲット。



そして、前回の韓国の旅で立ち寄ったホンイク大学の中の画材屋さんで試しに買ってみたブロンズパウダーが、今回は大活躍!!

細かい粒子で、彩度の高すぎるグリーンを落ち着いたトーンにしてくれます。かといって混ざりすぎずにきらめきを主張してくれます。
この画材は日本ではあまり売っているところがないと思います。
Schmincke(シュミンケ)のリッチ・ペール・ゴールドと、シルバー。ドライガッシュです。








ひとビンあたり1900円くらい。20ml入りでしたが結構使えた~。


というわけで、水性顔料とブロンズガッシュと、ラメを混ぜたスペシャルブレンド・メディウムの完成!!
 
 

これらを円の形をしたハンコにつけてペタペタしていきます。
 
薄いブルーとグリーン。色相環の中でも近い配色なので、2色が重なるとどちらが上なのか正直わからない。注意深くオセロ・スタンピングを進めていきます。
 
乾くまではきれ~な乳白色のペインティング。
そして乾燥し始めるとラメのキラキラがふんわりと浮かび上がってくるのです。
 
 
作業中のとっちらかった状態ですが、手前二枚がまだ湿っている状態。
乾くと奥のパネルのような色味に変化します。
 
これらのパネルをつなげ、2メートル×2メートル、高さ30センチの台座に乗せて屋外に設置します。
繊細に制作した作品ですが、自然の風雨や光にさらされることで風景となじみながら存在してくれることをイメージしています。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
↓10月25日より開催予定の展覧会はコチラ↓
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D.M.Z ART PROJECT
〈ART, Open the way for reunification〉


日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)


時間:10:00~18:00


会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網  (※見学の際は事前予約が必要になります。ご連絡ください。 )      場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map
   



    2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園

   
 

Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour:Dongjae Lee
 
 
 
※今回制作中のペインティング作品に使用しているリキテックス画材は、株式会社バニーコルアートさんのご協力をいただいております。
この場をお借りしてお礼申し上げます。

2013年10月16日

Vanishing Point

10月25日から参加するD.M.Z ART Project に出品予定の作品「Vanishing Point(バニシング・ポイント)」の紹介です。


これは展覧会のためのマケット。30×30㎝、キャンバスにアクリル絵具


Vanishing Point=「消失点」という言葉は、絵画の遠近法でしばしば使われます。
視界に存在するものすべてのものは遠ざかれば遠ざかるほど水平線へ近づいていき、やがて消える。例えば本来は平行にあるはずの線路などが遠ざかるにつれ細くなり、まっすぐ地平線のかなたへ消える。  
 現実にはその点は存在しないが、2次元の平面で空間や距離感を表すために遠近法がルネサンス時代に確立され、以降絵画表現や建築の透視図法などで多く使われている。
 
今回の展示会場のひとつである平和ヌリ公園(Pyeonghoa_Nuri Park)。
臨津閣展望台のすぐそばにある市民の憩いの場で、遊園地や野外ステージ、池や芝生の広場があります。

なだらかな起伏をもった芝生の公園内に立体作品を設置することになって、8月の暑い日に下見に出かけました。
この日は朝からめまぐるしく変わる天気で、ゲリラ豪雨のような土砂降りとまぶしいくらいの晴天と、小雨が交互に訪れ空気の色を次々に変化させていました。

視線の先に広がるグリーンと青空のコントラストや、水草が茂る池の水面が空を反射して鈍くギラリと光る様子を見ていて、ふと天と地を分ける地平線や空と海を分ける水平線のことを想いました。
陽射しが緑の芝を照らして白く光る瞬間、海が空の色を映して輝くことなど、光を受けて2つのポイントが交差するような瞬間を作品にしてみたい、と考えたのです。

ということで、今回の作品は「反射」や「透過」をキーワードに制作をすすめています。





 


スタンピングする2色の絵の具はいつもは補色の関係を持つ配色をチョイスしているのですが、今回は透明なアクリルメディウムを主体にしました。うすいブルーとグリーンに染めたそれぞれの色にはラメパウダーを加えてあります。
それを円形のスタンプにつけて盤面にスタンピングしていきます。





初めのうちは白濁していますが、乾燥するにつれ、透明性が増してきます。
わずかな色材とラメの粒子が残る状態で、光の当たり方によって色味が変化します。
会場の平和ヌリ公園では、2メートル×2メートル、高さ30㎝の台座に作品を設置し、太陽光の反射も取り込んだ立体作品として展示する予定です。


今はそのペインティングの真っ最中!
現地のインスタレーション作業は自分でもとても楽しみになってきています。





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D.M.Z ART PROJECT

〈ART, Open the way for reunification〉


日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)


時間:10:00~18:00


会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網
      (Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map

    2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園

    ◆見学の際は事前予約が必要になります。問い合わせ窓口がわかり次第アップします


Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.

Directour:Dongjae Lee