これは展覧会のためのマケット。30×30㎝、キャンバスにアクリル絵具 |
Vanishing Point=「消失点」という言葉は、絵画の遠近法でしばしば使われます。
視界に存在するものすべてのものは遠ざかれば遠ざかるほど水平線へ近づいていき、やがて消える。例えば本来は平行にあるはずの線路などが遠ざかるにつれ細くなり、まっすぐ地平線のかなたへ消える。
現実にはその点は存在しないが、2次元の平面で空間や距離感を表すために遠近法がルネサンス時代に確立され、以降絵画表現や建築の透視図法などで多く使われている。
今回の展示会場のひとつである平和ヌリ公園(Pyeonghoa_Nuri Park)。
臨津閣展望台のすぐそばにある市民の憩いの場で、遊園地や野外ステージ、池や芝生の広場があります。
なだらかな起伏をもった芝生の公園内に立体作品を設置することになって、8月の暑い日に下見に出かけました。
この日は朝からめまぐるしく変わる天気で、ゲリラ豪雨のような土砂降りとまぶしいくらいの晴天と、小雨が交互に訪れ空気の色を次々に変化させていました。
視線の先に広がるグリーンと青空のコントラストや、水草が茂る池の水面が空を反射して鈍くギラリと光る様子を見ていて、ふと天と地を分ける地平線や空と海を分ける水平線のことを想いました。
陽射しが緑の芝を照らして白く光る瞬間、海が空の色を映して輝くことなど、光を受けて2つのポイントが交差するような瞬間を作品にしてみたい、と考えたのです。
ということで、今回の作品は「反射」や「透過」をキーワードに制作をすすめています。
スタンピングする2色の絵の具はいつもは補色の関係を持つ配色をチョイスしているのですが、今回は透明なアクリルメディウムを主体にしました。うすいブルーとグリーンに染めたそれぞれの色にはラメパウダーを加えてあります。
それを円形のスタンプにつけて盤面にスタンピングしていきます。
初めのうちは白濁していますが、乾燥するにつれ、透明性が増してきます。
わずかな色材とラメの粒子が残る状態で、光の当たり方によって色味が変化します。
会場の平和ヌリ公園では、2メートル×2メートル、高さ30㎝の台座に作品を設置し、太陽光の反射も取り込んだ立体作品として展示する予定です。
今はそのペインティングの真っ最中!
現地のインスタレーション作業は自分でもとても楽しみになってきています。
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D.M.Z ART PROJECT
〈ART, Open the way for reunification〉
日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)
時間:10:00~18:00
会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網
(Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map
2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園
◆見学の際は事前予約が必要になります。問い合わせ窓口がわかり次第アップします
Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.
Directour:Dongjae Lee