2011年1月31日

今日は「色」について語ります。




私が2006年から展開している「マインド・ゲームス」というアートワークは、基本的には白い絵の具と黒い絵の具を使ってオセロ・ペインティングを行っている。

一般的に認識されているオセロ・ゲームのイメージを作品に与えたかったことがその理由のひとつであるが、絵の具を重ねていく行為のなかで白と黒が混ざり合ってグレーになることも重要な理由だ。それは対極にいる者が主張しながらもいつしか互いの性質を取り入れて変化していくということを意味している。



さて今回は、ずいぶん鮮やかなターコイズブルーと明るいグレイッシュ・ピンクをオセロの盤面に用いている。 



「H氏との対話」というプロジェクトを始めるにあたって京都のHRDファインアートのオフィスへ下見に行った。
H氏は御霊神社という古来の神社のそばに建つ町屋を借りてオフィスにしている。格子戸をはずすと大きな出窓が見事な存在感を表し、ここで私の作品を展示させていただけるという。
まずはイメージをつかむために建物全体と部分の写真を何枚か撮影し、窓の寸法をはかり、細かい打ち合わせをして私はふたたび自分のアトリエに戻った。


あらためてその写真を眺めていて目に留まったのは、町屋の渋いたたずまいのなかでアクセントのように据え付けられているターコイズ・ブルーのポストだった。
これはもともとあったものではなく、H氏がご自分で取り寄せて設置したものだと聞いた。


「マインドゲームス」の延長線上で展開するこの「対話」シリーズでは、白黒ではない「色」を使ってやってみようかという気があったので、今回そのポストの色を引用することにした。
対する色は・・・私のアトリエの砂壁を当てはめてみた。ターコイズブルーの補色に位置するレッドオレンジを薄めたような桜色のような色である。この2色が混ざり合うと明るいグレーになる。白黒のオセロの混色と同じ無彩色だ。



ペインティングをスタートさせてから約2週間がすぎたが、2色の絵の具は重なり混ざり合いながらアクリル板の上で不思議な色味とマチエールを持ち始めている。



2011年1月28日

今日もやってますよー。



外はきりりと冷たい風。 アトリエの窓から差し込む光はやわらかくて暖かそう。


横浜(正確には横須賀市にありますが)の私のアトリエは、築50年ほどの古い木造平屋建てのつくりなので、いろんなところに隙間があります。


当然これが寒い!


床はぼろぼろになった畳をはがして、ベニヤ板を敷いているのでこれも寒さに拍車をかけてます。
ということで、すこしでも暖をとるべく作品を吊るしているアトリエの窓にはぷちぷち(エアパッキンのことね)を貼ってます。
プチプチをとおすと窓のひかりが拡散されるので、制作風景もいい感じになってます。





2011年1月27日

アトリエに戻ってぺたぺた。




3泊4日の旅から戻り、アトリエがけでふたたびオセロ・ペインティングの日々。



H氏とのオセロ対戦のやりとりは結構コンスタントに続いていて、マス目がどんどん埋まっていくのはなんだか嬉しい。






これは一体なにをしているかというとアトリエの窓に大きなアクリル板を吊るしていて、
アクリル絵の具でオセロの対戦状況にそって私が絵を描いているのです。
絵を描く、といっても筆を使うのではなく直径8センチくらいの消しゴムスタンプを使って、ぺたぺたと
絵の具を塗り重ねています。
ゲームが進むごとにもとの色を上からスタンプで「ぺタッ」と塗りつぶしていきます。
それがどんどん積み重なりだんだん絵の具の厚みが増して、不思議な質感になります。


この厚みが私(A.K)とH氏とのやりとりとその時間の痕跡を表すものになります。

2色がすこしずつ混ざっていくのは絵の具ならではです。

2011年1月25日

旅のまどから

今朝わたしは、名古屋にいる。


横浜のわたしのアトリエと京都のHRDファインアートの窓をつなぐこの作品だが、
オセロ対戦はネット上でやりとりしているので旅先からもゲームをすすめることができる。


先週の土曜から旅行で伊勢~鳥羽地方をまわり、今日横浜に戻る予定だ。
伊勢神宮へ参拝してイセエビ食べて、この地方の特徴であるリアス式海岸の風景を堪能した。
いい旅だったな~。


というわけで、対戦相手であるH氏のいる京都へ距離をすこし縮めての「Conversation with "Mr.H"」なのだった。
(写真は鳥羽のホテルの窓から。牡蠣の養殖いかだがあちこちに見える風景)


2011年1月21日

DEMADOプロジェクト スタート!


このたびHRD FINE ARTの企画「DEMADO CONTEMPORARY ART PROJECT VOL.3」に出展することになりました。


これはなにかとゆーと、京都の古い町屋をオフィスにしているHRDファインアートが、その出窓(これがなかなか風情があって素敵)にアーティストの作品を期間を決めて展示する、というもの。



私は3月1日から6月1日まで展示します。



今回は「Mind Games」シリーズのあたらしい展開として「H氏との対話」という作品を制作します。
私(A.K)とH氏が横浜と京都という遠隔地でオセロ対戦をし、それを私が絵の具を使ってペインティングの作品にします。

その様子をウェブ上で公開するという、私にとっては初めてのやりかたで公開制作します。



どうぞDEMADOのサイトを「お気に入り」に登録して、日々の制作の様子をチェックしてみてください!

よろしくお願いしまーす。



栗原亜也子

2011年1月20日

Ayako Kurihara Mind Games 2011


みなさま、今年もどうぞよろしくお願いいたします。

時々公開する栗原亜也子のこのブログ、今年は1月より再開させていただきました!

京都にあるHRDファインアート企画の「DEMADOプロジェクト」というものに参加することになり、ただいま私の制作拠点である「アトリエがけ」にてウェブ上の公開制作をおこなっております。

どうぞ覗いてやってくださいね。まずはご挨拶でした。

栗原亜也子