2011年3月16日

DEMADOの風景、昼と夜の光。




京都のHRD FINE ARTの「DEMADO ART PROJECT VOL.3」にて私の作品「H氏との対話」が、6月まで展示開催中である。

先週金曜に起きた大地震は京都までは被害が及ばず、作品も建物も無事なようである。


この作品は古い京町屋の建物の出窓を使ったインスタレーションである。窓に直接描いたようにも見えるが、実際は窓と同じサイズのアクリル板にアクリル絵の具を使って「オセロ・スタンピング」をしたものをはめ込んで設置している。

「オセロ・スタンピング」とは私が近年取り組んでいる作品シリーズ「Mind games」の共通した描画方法で、オセロのルールを引用しながら2色の絵の具を交互にスタンプによって塗り重ねていく。

の作品では京都のHRDファインアートの原田氏とオセロの遠隔対戦をやり、それを私の横須賀のアトリエによってペインティングへと仕上げていった。いわば「H氏(原田さん)」とのコラボレーションのようなものである。いつもは白と黒のモノクロで取り組んでいるペインティングを今回はターコイズ・ブルーと桜色の2色を使って行った。ここの建物のポストの色を引用したのだ。ちなみに桜色は私のアトリエの砂壁の色である。


さて設置してみると光が窓ガラスと透明なアクリル板を透過して、時間によってさまざまな姿を見せてくれている。昼間は太陽の光が積み重なった絵の具のテクスチャーを照らし、夜には部屋の灯りがスタンプの丸い形を逆光で浮かび上がらせる。晴れた日にはターコイズブルーと青空がリンクして響き合い、曇りや雨の日にはどんよりした街のダル・カラーにビビッドな作品が映える。


現在は東日本の地震に配慮して節電のため夜間の消灯を実施していただいているが、もし作品を観に行ってくださるかたがいたら、光の変化による作品風景をぜひ観賞していただきたい。






2011年3月9日

夜の風景


HRD FINE ARTの夜の風景。部屋の中の光がこぼれて絵の具のテクスチャーが浮かび上がる。

2011年3月7日

京都でのオープニング

                 

3月1日、京都のHRD FINE ARTでの「DEMADO ART PROJECT VOL.3」の初日を無事スタートさせることができた。

搬入に行った午前中は雨。
オープニング・パーティーがどうなるやら・・・と不安だったけれど夕方にはきちんと雨がやんで、
空気の澄んだ夜になった。


さて、120×120センチの作品をおそるおそるHRDオフィスの窓に立てかけてみると、ぴったり当てはまった。
もちろん事前に計測してから制作したのだけれど、この作品はジャストサイズでないと意味がないのでハプニングなしのセッティングにほっとひと安心である。
横須賀の我がアトリエでの見え方とはまた違う、渋い色合いの町並みのなかでのインスタレーションになっていてなかなかよい景色である。


HRDの原田さんがオフィスの中で開いてくださったオープニングレセプションは予想以上に盛況でびっくり。
京都に知り合いがほとんどいない私だったけれど、大学の後輩とママ友がこの日のために駆けつけてくれた。嬉しい!
ほかにも原田さんの呼びかけで集まってくださった近くに住むアーティストやギャラリーを運営されている方、日本でのプロジェクトのついでに立ち寄ってくれたドイツ人アーティストや中国の雑誌の編集者さんや4歳の女の子や1歳の赤ちゃんなどなど、さまざまな人たちに作品をみてもらうことができた。



展示の様子などいずれこのブログでアップしてまいります。



2011年3月1日

転写完了!

今日HRD FINE ARTのハラダさんよりメールがあって、作品が無事届いたそうだ。ほっとした~。

これで作品「H氏との対話」、京都のDEMADOへの転写が成功した。


明日は私も京都へ行き、作品の設置をしたあと17:30より始まるオープニング・パーティーに出席いたします。


もしお立ちよりくださる方がいましたら、お会いできるのを楽しみにしております。
(通常は外からのみの作品観賞となりますが、初日のレセプションでは中にも入ることができます)



栗原亜也子