2011年2月25日

がらん。


出来上がったペインティングを梱包し、京都へ送った。


昨日まで窓いっぱいに埋め尽くしていたオセロのドットが急になくなりがらん、としたアトリエの窓。
見える景色は以前と変わらぬ隣の家の屋根だ。


まるでこの「アトリエがけ」の窓からHRD FINE ARTの窓へと転写させたみたいで、3月から始まる「DEMADO」の風景が楽しみだ。

2011年2月24日

「アトリエがけ」からの風景



   京都の町屋ではどんな風になるだろう。

フィニッシュ!



終わった。。。



「H氏との対話」、HRD FINE ARTのハラダ氏とのオセロ対戦はすべてのマスが埋まり、ゲームセットとなった。
1月からひと月半、長いようで短いような戦いだった。


この「対話」シリーズでは終わり方に関しては私がいくつかルールを定めていて、
①マス目がすべて埋まった時点で終了となる。
②どちらかの打つ手がなくなったら終了。
③対戦者が「飽きた」ら、終了。
のどれかをもって対戦を終え、ゲーム展開に忠実にスタンピングしている私の作品もそこで完成となる。


今回は通常のオセロ(64マス)より大きい144マスの画面なので、私とH氏は70回ずつ一手を打ちあうことになる。
しかもメール上で交互に一手を公表しながらの対戦とあって、時間も手間もかかるゲームなのだ。

facebookのウォールを使った対戦は21日に決着がつき、私のペインティングは昨日完成した。
まずは喜びのポーズで。




これを京都に運び、DEMADO PROJECTの展示となる。



2011年2月19日

お知らせ

DEMADO ART PROJECT VOL.3がいよいよ京都にて開催されます。
3月1日(火)のオープニングには私もおりますので、どうぞお越しください。
(通常はウィンドウギャラリーは外から見ていただく形式となります)


DEMADO ART PROJECT VOL.3
栗原亜也子「H氏との対話 / Conversation with "Mr.H"」

日時 2011年3月1日―6月1日
場所 HRD FINE ART オフィス 京都府京都市上京区上御霊堅町494-1(御霊神社北隣)
    tel.075-414-3633

オープニングパーティー 3月1日(火) 17:30-






2011年2月17日

そろそろ…


大詰め、です。

H氏との対戦はあともう少しで勝敗が決まりそう。
今までの作品「Mind Games」では、一人二役で淡々とオセロペインティングをしていてゲームとしての勝負欲よりも同じことの繰り返しの面白さ、時間の蓄積を絵の具の厚みに変えていくほうが楽しくなりますが、具体的な相手がいると・・・やっぱり「勝ちたいな~」みたいな気持ちも募ってきますね。

人間って不思議。


窓際のペインティングのほうはもうすごいことになっていて、アクリル絵の具をスタンプで塗布していくというやり方の魑魅魍魎とした質感が迫ってきます。

このときはゲームスコアの勝負欲とはかけ離れて、絵の具との格闘になっていってます。



3月1日にはいよいよ京都に運ばれてDEMADO PROJECTの展示となります。
私もオープニングには参りますのでどうぞお越しください。

2011年2月15日

満ちてくるその存在



私のアトリエの外側から見た現在のペインティングの様子です。
「H氏との対話」ウェブの最新はこちら→


スタート時には窓にフレームしかなかったこの作品。
H氏との対戦がどんどん進み、だんだん枠の中身が満たされていく。
普段は部屋のなかでひたすら絵の具を重ねてペイントしているのだけれども、
外から見えている状態はいちばん最初にぺたんとスタンピングした色がずっとそのまま残っているのだ。
表と裏(どちらが表なのかもわからないけれど)ではテクスチュアがまったく違っているし、順光と逆光でその見え方も違う。

ペインティングが完成してこの作品が京都に運ばれた時、また作品風景は変わるだろう。




2011年2月7日

とびかう記号のやりとり、溝にはまるわたし


H氏とのオセロ・ゲームは後半戦に突入した。


頭をつきあわせて盤面に向かい、コマをさしつさされつゲームに興じるのが本来の姿だけれど、私とH氏の場合はインターネット上でお互いの「一手」を差しあっている。

でもネットゲームが当たり前の今、バーチャル対戦も一人オセロもコンピューターで普通にやれるので「インターネット使って対戦やってます」と聞いても「何をいまさら」という感じかもしれない。
実はこの対戦はネットを利用しながらもコンピューターオセロのソフトなど使わず、超アナログな方法で進めている。

まず自分がコマを置いた位置をアルファベットと数字の記号に置き換えてからメールで連絡する。対戦のスコアを互いにその都度書き換える。
そしてアトリエにいる私が絵の具を使ってそれぞれの「攻め」をスタンピングによって再現していく。

そこには周到にやっているつもりでもコンピューターのような正確さに欠ける時があり、相手のコマの位置を間違えたりひっくり返す箇所が足りなかったりと、実際の「さしつさされつ」状態にありがちなお茶目なミスがたまにある。さらにチャットではなくひと月半にわたって一日数回ずつ「一手」を交換し合うというのんびり対戦。

昨日も「あれ、どこに置いたんだっけ?」みたいなことがあり、最初からのチャートを見直したりしてドツボにはまりかけた。(あとでちゃんと持ち直しましたよ)


たとえ面倒でもこのもどかしさがなんとなく私には心地よく感じるのである。






2011年2月6日

節分を過ぎて。

今進行中のプロジェクト「H氏との対話」でオセロ対戦中のH氏は、京都在住である。
そして対戦が終わり完成した作品を展示する予定のHRDファインアートは京都市内の町屋をオフィスとして使っている。

オフィスのすぐそばに「御霊神社」という大きな神社があり、町全体がその神社に守られているようである。
先の節分では盛大に豆まきが行われたらしい。

御霊神社はなんと応仁の乱の発祥の地だそうだ。
歴史がまったく詳しくない私はてっきりその戦の怨霊をしずめるために建立されたのだと思っていたが、応仁の乱以前からこの神社は存在し、一方の陣営の武将が神社のなかに陣営を張って戦いが始まったということをハラダさんから教えてもらった。

つまり神の力をかりて戦いに臨んだ、ということですね。

「神と戦」の関係は国や宗教、時代やその時のリーダーによってそれぞれ異なるが、神の支持によって戦争を勃発させたり、神通力を信じて突撃したり、神のいる教会の中では平和を祈ったり、自分より大きい存在を信じていくことでひとは大きな勇気をもらうのだろう。


さて、オセロゲームもゲームと名乗るからには立派な戦いである。
今までの私の「Mind games]では一人オセロを淡々とやってきたので、一人二役をこなしながら「戦いってなんだろう?」と考えることがよくあった。
コマをひっくり返し、また返されることの繰りかえしで終わりが見えない。勝ちたいという気持ちもだんだん萎えていく。
自分対じぶんの逡巡や葛藤がいちばんやっかいなのかもしれない


節分をすぎて風邪をひいてしまいました。
体は今必死にウィルスと戦ってくれているようです。感謝。

2011年2月2日

すごいことになってます


オセロ・ペインティングですが、実に白熱しています。

H氏との対戦のやりとりはだいぶ進んで中盤にさしかかってきました。一手を打つごとに埋めるマス目も多くなり、そうなると今自分が奪ったはずの相手のコマがすぐに相手にひっくり返されたりして、取ったり取られたりを繰り返しています。

私の作品ではオセロ・ゲームの様式を引用してはいますが、リヴァーシブルのコマでなく二つの色の絵の具を使いそれを交互に重ねてゲームを再現しています。
絵の具をスタンプにつけて画面に押しつけていくので一回のやりとりで同じ場所に何度も色を重ねることもあります。


その結果が上の写真。
アクリル絵具は画材のなかでは比較的乾燥が早いけれど、スタンプを押すたびに「べちょっ」と下の半乾きの色と混じり合ってなんともいえないグッチョリとした感触。

イチゴクリームをたっぷりと塗りつけたパイのよう?
でもターコイズブルーと混ざっているのであまり美味しそうではないかも・・・





2011年2月1日

光に透ける絵の具たち



東向きに窓がある私のアトリエは、午前中に一番多く光が差し込みます。


たまに泊まりがけで制作(あるいは飲み会)すると、朝あまりの眩しさに目が覚めてしまいます。
床に反射した光がホコリすらもキラキラと美しくみせるのでしばし見とれてしまう時もあるほど。



作品「H氏との対話」で私がオセロのペイントをおこなうのは大抵午前中のことが多いのですが、窓からの強い光線で不透明色の絵の具ですら透過してみえます。
ゲームが進みターコイズブルーと桜色が幾重にも重なっている箇所は肉眼でみればわかっても、写真に撮るとどちらの色が上なのかよく見えない状態です。



ちなみに絵の具はゴムスタンプを使ってアクリル板にペタン!と押しつけています。
絵の具がべたっとついてスタンプが離れるときに独特のテクスチュアーが表面に残るので、これがまた光に透けて実に不可思議な質感になってます。






ブログ紹介

HRDファインアートのブログに栗原亜也子の作品「H氏との対話/Conversation with "Mr.H"」についての紹介記事があります。どうぞご覧ください。

HRD FINE ARTブログ→HRDLOG