2013年10月25日

緊迫のセッティング・レポート? ~I have a [No image] on the DMZ area. ~

22日の朝、宿までお迎えの車が来ました。これからパジュ市のDMZエリアで作品の設置です。






















ソウル市内から約1時間、道路がすいていたので予想よりはやく臨津閣(イムジンガク)にたどり着きました。
「イムジンガク」は展望台やお土産やさんがある観光施設で、京義線の「臨津江(イムジンガン)」駅からは歩いて10分ほどの距離にあります。(もっとも韓国のひとは車やバスで行くことが多く、電車での行き方をほとんど知りませんでした)

この建物を中心として、南北統一の願いをこめた碑や、戦争時代の汽車の展示、記念館などが存在します。
外国人観光客がバスで訪れることが多いようです。
「Vanishing Point(バニシング・ポイント)」という作品を設置しようとしているのは隣にある平和ヌリ公園(ピョンハヌリパーク)になります。)



この建物がイムジンガク。
展望台、カフェ、レストランやショップがあります。

さて、今回の展示の重要なポイントとなる「軍事国境線に近づいたエリアでの作品展示」ですが,具体的な場所に関してはプチミステリーツアー状態。

「38度線」というのは北朝鮮と韓国とのボーダーラインなのですが、現在は国境ではなくあくまで”休戦”協定状態のうえでの軍事境界線であり、暫定的です。ボーダーライン上の南北2キロの地帯を非武装地帯(DMZ)と呼び、無人の緩衝地帯となっています。

私はこの展示に参加するまでは38度線にかんしてはほとんど無知のありさま。
むか~し社会の授業でならった「板門店」という単語を知ってるという程度で、今さらながら詳細を知る顛末です。まあ、それが人生の出会いというものですね・・



イムジンガクの駐車場で展覧会の主催チームや通訳のMoonさん、撮影を担当するカメラマンの方々と合流し、車に乗り込みます。
前回のゴヤン市美術展で知り合った方がほとんどなので、「アヤコさんひさしぶりです~」とか、「韓国語上達した?」などと和気あいあいな雰囲気。韓国の人達のフレンドリーな人柄とホスピタビリティーにはホントに感謝しています。カムサハムニダ!
撮影担当のソンタックさんが「まずは板門店に向かいま~す。一番北朝鮮に近いところで~す」と遠足口調で明るく宣言するので、え?え?と内心びっくり。確か板門店に行くには外国人は団体旅行で、韓国の人も事前申請しなければならないのですが・・・心の準備が足りないっ!

道路の看板に「←板門店」と出たあたりで車が止まりました。部隊による身分証明書確認です。
全員身分証明書を提出。モチロン私はパスポートです。
左側には板門店に向かう鉄橋道路、右側はでっかい鉄条網の扉、迷彩服とヘルメットをがっちり着込んだ軍隊の人達がたくさんおり、私の緊張感は高まります。
進んだのは右側。鉄条網の扉を開けてもらい、臨津江の川沿い張り巡らされた金網フェンス沿いを車で走ります。どうやらここで作品の設置をするんですね。ようやくつかめてきました。

謎の多い今回の展覧会企画、そうしてこんな状態なのかというと、やはり軍部が絡んでいるからなのです。
企画自体はディレクターのDongJae Lee氏ですが、京義観光公社と軍との統一部(韓国独立有効者協会)が主催&窓口となっています。展示プランはすべて軍部の会議で承諾を得なければならない状態で、さまざまな事柄の決定が開催ギリギリになっているようです。展覧会のサブタイトルが〈ART, Open the way for reunification〉(アートよ開け、再統一への道)ですが、まだまだオープンではなさそうですね。そのための第一歩なのです。



というわけでこの場所ではいろいろ規則があり、私自身による作品撮影はNG.
せっかく一眼レフカメラもっていったのに・・
iPhoneで気軽に撮ってFacebookにすぐアップというわけにもいきません。
NO Image」です。

今日のセッティング・レポートはここまでにしておきます。
担当カメラマンさんが撮ったデータを今度掲載しますね。

明日も設置は続きます・・・