とびかう記号のやりとり、溝にはまるわたし
H氏とのオセロ・ゲームは後半戦に突入した。頭をつきあわせて盤面に向かい、コマをさしつさされつゲームに興じるのが本来の姿だけれど、私とH氏の場合はインターネット上でお互いの「一手」を差しあっている。でもネットゲームが当たり前の今、バーチャル対戦も一人オセロもコンピューターで普通にやれるので「インターネット使って対戦やってます」と聞いても「何をいまさら」という感じかもしれない。実はこの対戦はネットを利用しながらもコンピューターオセロのソフトなど使わず、超アナログな方法で進めている。まず自分がコマを置いた位置をアルファベットと数字の記号に置き換えてからメールで連絡する。対戦のスコアを互いにその都度書き換える。そしてアトリエにいる私が絵の具を使ってそれぞれの「攻め」をスタンピングによって再現していく。そこには周到にやっているつもりでもコンピューターのような正確さに欠ける時があり、相手のコマの位置を間違えたりひっくり返す箇所が足りなかったりと、実際の「さしつさされつ」状態にありがちなお茶目なミスがたまにある。さらにチャットではなくひと月半にわたって一日数回ずつ「一手」を交換し合うというのんびり対戦。昨日も「あれ、どこに置いたんだっけ?」みたいなことがあり、最初からのチャートを見直したりしてドツボにはまりかけた。(あとでちゃんと持ち直しましたよ)たとえ面倒でもこのもどかしさがなんとなく私には心地よく感じるのである。