白熱して盛り上がっております、絵の具が。
今回のブログでは立体作品として屋外で展示予定の作品、「Vanishing Point(バニシング・ポイント)」で使用している画材について紹介してみます。
マインド・ゲームスシリーズではアクリル絵具を使うことが多いのですが、今回は絵の具の色材ではなくアクリル・メディウムを主体にしています。
アクリル素材のつや出し 盛り上げメディウムで、クリーム状になっています。
絵の具に混ぜると透明度とボリュームがでるので、盛り上げるタッチで絵を描きたいときなどに利用されます。
私は今回の作品で「2色が混ざり合うにつれ、透明になっていく」表現をしたいと思っていたので、乾燥すると透明になり耐水性で堅牢な性質をもつジェルメディウムを使うことに決めました。
うっすらと色付けする2色は、空を表す「青」と、設置場所である平和ヌリ公園の芝生の色「グリーン」。
これらはアクリルカラーではなく
「濃縮水性顔料」(@横浜の
絵具屋三吉で購入)の蛍光青と蛍光緑。
顔料(色材のもととなる素材)の純粋な水溶液なので、そのままで使用すると簡単に色落ちしてしまいます。
アクリルメディウムと混ぜることで透明色の顔料絵の具を作ることができるのです。
それをジェルメディウムの大きな容器に入れて、ひたすらかきまぜます。
あっというまにきれいなブルーとグリーンに染まります。
すごく彩度が高いようにも見えますが、これはジェルメディウムが乾燥していない時は乳白色をしているせいで、乾いたときには”ほんのり色づいている程度”の見た目になります。
このさじ加減が難しい。。勘です、カン。
そして光の存在感を出すために、今回は
ラメやブロンズパウダーを使うことにしました。
光を受けてきらっとひかるようなスパイス的存在です。
金と銀のラメは手芸やさんや100均でゲット。
そして、前回の韓国の旅で立ち寄ったホンイク大学の中の画材屋さんで試しに買ってみたブロンズパウダーが、今回は大活躍!!
細かい粒子で、彩度の高すぎるグリーンを落ち着いたトーンにしてくれます。かといって混ざりすぎずにきらめきを主張してくれます。
この画材は日本ではあまり売っているところがないと思います。
Schmincke(シュミンケ)のリッチ・ペール・ゴールドと、シルバー。ドライガッシュです。
ひとビンあたり1900円くらい。20ml入りでしたが結構使えた~。
というわけで、水性顔料とブロンズガッシュと、ラメを混ぜたスペシャルブレンド・メディウムの完成!!
これらを円の形をしたハンコにつけてペタペタしていきます。
薄いブルーとグリーン。色相環の中でも近い配色なので、2色が重なるとどちらが上なのか正直わからない。注意深くオセロ・スタンピングを進めていきます。
乾くまではきれ~な乳白色のペインティング。
そして乾燥し始めるとラメのキラキラがふんわりと浮かび上がってくるのです。
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作業中のとっちらかった状態ですが、手前二枚がまだ湿っている状態。
乾くと奥のパネルのような色味に変化します。 |
これらのパネルをつなげ、2メートル×2メートル、高さ30センチの台座に乗せて屋外に設置します。
繊細に制作した作品ですが、自然の風雨や光にさらされることで風景となじみながら存在してくれることをイメージしています。
↓10月25日より開催予定の展覧会はコチラ↓
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D.M.Z ART PROJECT
〈ART, Open the way for reunification〉
日時:2013年10月25日(金)~11月15日(金)
時間:10:00~18:00 会場:1.Civilian Control Line(CCL) in the ImjinGak 臨津閣付近の金網 (※見学の際は事前予約が必要になります。ご連絡ください。 ) 場所:Munsan-eup, Paju-si, Gyeonggi-do, Korea) map
2.Pyeonghoa_Nuri Park 平和ヌリ公園
Support: Gyeonggi Tourism Organaization, Crawn Hatai,KRA etc.
Directour:Dongjae Lee
※今回制作中のペインティング作品に使用しているリキテックス画材は、株式会社バニーコルアートさんのご協力をいただいております。
この場をお借りしてお礼申し上げます。